電子帳簿保存法(まとめ)


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本ページでは、電子帳簿保存法で定められた各制度の比較等をしています(2023年4月17日更新)。


電子帳簿保存法の各制度

 

電子帳簿保存法では、大別すると、次の5つの制度が定められています。

 

 

総勘定元帳等の帳簿について、会計ソフト等から出力した電子データで保存すること(以下では「電子帳簿」とします。)

 

制度の活用例:決算完了時に会計ソフトから出力した総勘定元帳の電子データを保存する

 

 

上記の電子帳簿を「優良な電子帳簿」に昇格させて保存すること(以下では「優良な電子帳簿」とします。)

 

制度の活用例:全ての経理手続きが一元化されている経理システムで処理を行い、そのシステムから出力した各種帳簿の電子データを保存する

 

 

自社で作成する売上請求書等の書類について、販売管理ソフト等から出力したPDF等の電子データで保存すること(以下では「出力電子書類」とします。)

 

制度の活用例:販売管理ソフトから出力した売上請求書(控)のPDFを保存する

 

 

取引先から受け取った請求書等の書類について、スキャニングをして作成したPDF等の電子データで保存すること(以下では「スキャナ保存」とします。)

 

制度の活用例:郵送された請求書を複合機でスキャニングをし、作成したPDFを保存するとともに、紙の請求書をシュレッダーにかけて廃棄する

 

 

電子取引により受け取ったり送っていたPDF等の電子データについて、その電子データのままで保存すること(以下では「電子取引」とします。)

 

制度の活用例:受信メールに添付された見積書のPDFをそのまま保存する

対象となる帳簿書類等

 

各制度の対象となる帳簿書類等は次の通りです。

 

各制度 対象となる帳簿書類等
電子帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳、経費帳等の、会社が作成している帳簿のうち電子データによる保存を選択したもの
優良な電子帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、売上帳、仕入帳、経費帳、賃金台帳、売掛帳、買掛帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳、貸付帳、借入帳、未決済項目に係る帳簿、有価証券受払い簿、固定資産台帳、繰延資産台帳 等
出力電子書類 自社で作成した売上請求書・領収書・見積書・納品書・注文書の控え、決算報告書や棚卸表等の書類のうち、電子データによる保存を選択したもの
スキャナ保存 取引先から受け取った請求書・領収書・見積書・納品書・注文書等、自社で作成した売上請求書・領収書・見積書・納品書・注文書等の控え、契約書等の書類のうち、電子データによる保存を選択したもの
電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項)の記載されている、PDF等の電子データの全て

優良な電子帳簿のメリット

 

税務署等に対し、「優良な電子帳簿」に関する届出書を事前に提出しておくと、過少申告加算税の金額が減額されることになります。これが「電子帳簿」を「優良な電子帳簿」に昇格させるメリットです。

 

ただし、「優良な電子帳簿」の適用を受けるための要件は厳しく、会社が作成している所定の帳簿が要件を満たしているのか、検証をする必要があります。

 

※個人事業者については、65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができるメリットもあります。

強制的に適用されるのか

 

「電子取引」のみ強制適用です。令和4年1月1日以降に電子取引を行ったときには、電子データを印刷して紙の書類として保存することは認められていませんので、注意が必要です。

 

その他の制度については任意適用であり、従来通り、紙ベースで保存をしても問題はありません。

 

 

※令和5年度の税制改正により、「電子取引」により生じた電子データの保存要件は、大幅に緩和されることになりました。

難易度

 

適用を受けるためのハードルが低いのは「電子帳簿」と「出力電子書類」であり、ハードルが高いのは「スキャナ保存」と「優良な電子帳簿」といえます。

 

特に「スキャナ保存」については、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による認証を受けたソフトウェアやクラウドサービスを使用することが、現実的な対処法であると考えています。

 

JIIMA(電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証製品一覧)

https://www.jiima.or.jp/certification/denchouhou/software_list/

税務署等への届出

 

税務署等への届出書の提出が必要になるのは、「優良な電子帳簿」と「スキャナ保存(過去分重要書類に限る)」の2つだけです。

重加算税が課されたときのペナルティ

 

「電子取引」と「スキャナ保存」による電子データに関して重加算税が課された場合、重加算税が1割増しになります。

 

その他の制度については、このペナルティはありません。

国税庁サイト内の関連ページ

 

国税庁のサイトにおいて電子帳簿保存法について説明されているページをご紹介します。

 

「電子帳簿保存法関係」

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm

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